カードローンの一括返済・繰り上げはホントにお得?返済方法を解説!

カードローンの一括返済・繰り上げはホントにお得?返済方法を解説!

カードローンの一括返済・繰り上げはホントにお得?

カードローンは、消費者金融だけでなく、メガバンクや地方銀行などのさまざまな金融機関で取り扱われています。担保や保証人が不要なので手軽に申し込みができて、審査も比較的簡単に済むため、急にお金が必要になった場合に役に立つ、便利な商品です。ただし、利用する場合の利率は高めで、消費者金融のカードローンでは年利4%~18%程度、銀行カードローンでは年利2%~15%程度が一般的です。

カードローンは使途が自由な反面、住宅ローンや自動車ローンなど使途が限られているローンと比較すると金利が高くなります。そのため、少しでも支払う利息の負担を減らすには、一括返済や繰り上げ返済を行うことが有効と考えられます。

今回は、カードローンの一括返済、繰り上げの方法について解説した上で、メリット・デメリットやお得な返済方法についてご紹介します。

カードローンの一括返済とは?

カードローンの一括返済とは?

カードローンの一括返済について説明する前に、通常の返済方法について確認しておきましょう。

通常カードローンを利用した場合の返済方法は、リボ払いと呼ばれる、リボルビング払いというのが一般的です。返済方法には、ATM返済、口座振込、口座引き落としによる返済、インターネットでの返済などがあり、金融機関によって多少異なります。これらの方法による、毎月の返済のことを約定返済と言います。

それに対し、カードローンの一括返済とは、借り入れた元本とその利息を1度に返済することです。計画通り約定返済をしていたものの、臨時ボーナスが入ったような場合は、一括返済してしまえば、カードローンが完済となり、支払う利息総額を減らすことができます。それでは、カードローンの一括返済の方法や注意点について確認していきましょう。

一括返済の方法

カードローンの利息は日割り計算のため、一括返済をする場合は、返済日の時点での利息を含めて返済を行わなければなりません。利息を含め返済金額はいくらになるかは、借入先の金融機関に確認が必要です。

また、インターネット返済に対応している金融機関では、ネット上の会員サイトなどでも確認することができます。返済方法は、さまざまですが、なるべく手数料が掛からない方法を選ぶほうがコストの節約になります。どの返済方法なら手数料が掛からないかを調べた上で、一括返済をすると良いでしょう。返済方法は以下の通りです。

ATM返済
ATM返済

借入先金融機関のATMでの返済や提携ATMでも返済可能な場合もあります。ただし、提携ATMを利用した場合、手数料が掛かる場合があるため、なるべく手数料が掛からない借入先金融機関のATMを利用しましょう。

また、時間外手数料が掛かる場合もあります。手数料の有無も合わせてチェックしておきましょう。

店頭での返済

借入先の金融機関の店頭窓口から返済する方法もあります。基本的に平日の営業時間内でなければ返済できません。そのため、平日に時間が取れる方、利用している貸金業者の店舗が近くにある方などに向いている返済方法です。

一部の金融機関では、一括返済をする場合は店頭窓口でしかできない場合もあります。直接手続きするため、確実に返済できる安心感があるのがメリットです。

銀行振込
銀行振込

借り入れしている金融機関が指定する銀行口座へ、直接お金を振り込んで返済をする方法です。インターネットバンキングを利用すれば、時間や場所を選ばず返済ができます。

一括返済を行う場合は、利息を含め、いくら振り込めばいいのか、事前に借入先金融機関に問い合わせておきましょう。

 

インターネット返済
インターネット返済

ATMに行く時間がない場合や、時間や場所を気にせず返済したい方は、インターネット返済が向いています。

インターネット返済とは、インターネット上の会員サイトから返済の手続きを行えば、指定した金融機関口座からお金が引き落とされる仕組みの返済方法です。事前に提携金融機関とのインターネットバンキングの契約が必要です。

基本的に、土日や祝日でも手数料が無料で利用できるというのがメリットです。

 

一括返済の注意点

ATM返済やインターネット返済で一括返済を行う場合は、画面の指示に従って全額返済や一括返済を選ぶことで、簡単にできるのが一般的です。ただし、硬貨が使用できないATMで一括返済を行う場合、1,000円単位でしか返済することができません。そのため、ATM返済では硬貨が使用できるATMでしか一括返済を受け付けていないという金融機関もあります。

または、100円以下を切り上げて返済し、後日口座振り込みで返金という形を取る金融機関や、残った端数を「無利息残高」として取り扱い、後日口座振り込みや別の方法で返済するやり方を取る金融機関もあります。無利息残高には、返済期限がなく、利息も付きません。ATMで一括返済をする場合は、あらかじめ端数の取り扱いや返済方法を確認しておきましょう。

カードローンの繰り上げ返済とは?

カードローンの繰り上げ返済とは?

カードローンの繰り上げ返済とは、資金の余裕がある場合、通常の返済である約定返済とは別に、臨時的に返済をすることです。

通常、カードローンの返済は、返済計画に従って、借り入れた金融機関が指定する期日までに一定金額を返済していくのが一般的です。

しかし、ボーナスのような臨時収入があった場合には、通常の約定返済とは別に臨時に返済を行えば、その分の元本を減らすことができて、支払う利息も減額できます。繰り上げ返済を有効に活用することはカードローンの賢い返済方法です。

また、繰り上げ返済のことを、臨時返済や任意返済、追加返済という金融機関もあります。

繰り上げ返済の方法

繰り上げ返済の方法は金融機関によって異なりますが、通常はATM返済やインターネット返済、銀行振込や店頭窓口などで行うことが可能です。通常の約定返済を口座引き落としにしている場合は、口座引き落としの際に返済額の増額に対応してくれるかどうか、利用している金融機関に問い合わせて確認してみましょう。

また、ATM返済などの普段と異なる返済方法で繰り上げ返済を行うのもおすすめです。ATM返済やインターネット返済など、それぞれの返済方法については、前述の一括返済での返済方法を参照してください。

繰り上げ返済の注意点

繰り上げ返済を行った場合でも、通常の約定返済は予定通りに行わなければなりません。そのため、繰り上げ返済を行う場合は、約定返済に支障がない範囲で行うようにしましょう。

また、金融機関によっては、次の返済予定日の15日前に繰り上げ返済を行った場合には、前の月の「追加返済(繰り上げ返済)」として扱い、14日前以降の返済なら、その月の約定返済として扱う場合もあります。この場合、繰り上げ返済のつもりで入金したのに、入金のタイミングによっては、通常の返済である約定返済として扱われることになってしまうケースも少なくありません。

約定返済を行えば、結果的に繰り上げ返済を行ったことになりますが、混乱してしまう場合は、店頭窓口で確認してから繰り上げ返済を行うか、インターネット上の会員サイトなどで、現在の返済状況を確認しながら行うことがおすすめです。

一括返済・繰り上げ返済のメリット

一括返済や繰り上げ返済の最大のメリットは、借入利息を減らせることです。カードローンを利用してお金を借りた場合は、なるべく早く返済を終わらせたほうが支払う利息の総額も減ります。必要な生活資金を確保できていて、余裕のある場合は、なるべく早く返済したほうが良いでしょう。

カードローンの一括返済や繰り上げ返済を行うメリットとしては、以下のようなものが挙げられます。

利息総額が減る

カードローンを借り入れる場合の金利は年利率ですので、利息を計算する場合、1日あたりの利息に、借り入れている間の日数を乗じて算出します。

・利息=借入元本×借入利率÷365(うるう年は366)×借入日数

カードローンの約定返済では、借入元本と利息を合わせて分割返済していくため、借入元本の減り方は比較的緩やかです。しかし、繰り上げ返済では全額が借入元本の返済に充てられますので、効率的に借入元本を減らすことができます。

また、繰り上げ返済を行うことで利息が再計算されるため、借入元本が減った分、返済期間も短くなる場合があります。一括返済や繰り上げ返済は、なるべく早い時期に行うと利息の軽減効果が大きくなるでしょう。

返済回数が減る

一括返済を行うと、その時点でカードローンの返済が終了しますし、繰り上げ返済を行うと返済期間も短くなります。当初の予定より早く返済が終われば、心理的にスッキリすることもメリットの1つと言えるでしょう。

審査に良い影響を与える

審査に良い影響を与える

約定返済を予定に遅れることなく行った上で、さらに一括返済や繰り上げ返済を行えば、ローンを組む際の審査に、良い影響を与える可能性があります。場合によっては、限度額の拡大が認められ、それに伴い低い金利で借り入れができることもあるでしょう。

 

一括返済・繰り上げ返済のデメリット

一括返済や繰り上げ返済をするメリットはたくさん挙げられますが、デメリットはほとんどありません。

あえて言うならば、無理をしすぎると生活を圧迫して、再び借り入れを行う可能性が出てくるということでしょう。なるべく早く返済しなければ……という気持ちもわかりますが、一括返済や繰り上げ返済を行う場合は、無理をしすぎないように注意してください。

もちろん、頑張って一括返済や繰り上げ返済を行うことは、利息の軽減につながります。

ただ、一括返済や繰り上げ返済を行う場合、生活資金や近いうちに必要となるお金は確保しておくことをおすすめします。給料日前に生活費や光熱費に必要なお金が不足してしまったら、本末転倒です。あくまでも余裕資金の範囲内で行うようにしましょう。

また、「少しお金の余裕ができたから」とカードローンの繰り上げ返済を行った後、結局お金が足りなくなって借り入れをしてしまうケースも見られます。頻繁に借り入れを繰り返していると、カードローンが「いざというときに役立つ自分のお金」のような錯覚をおこしてしまい、なかなか完済することができなくなってしまいます。再び借り入れることがないよう、計画的に一括返済や繰り上げ返済をするようにしましょう。

どれくらいの利息を節約できるのか?

どれくらいの利息を節約できるのか?

カードローンの一括返済や繰り上げ返済を行うと支払う利息を軽減することができますが、いったいどのくらいの利息を節約できるのでしょうか。

 

繰り上げ返済した場合

例えば、20万円を利息15%で借り入れ、毎月1万円を返済する場合の繰り上げ返済の効果を見てみましょう。この場合、約定返済のみだと返済期間は2年、利息総額は31,576円になります。一方、1回目の約定返済の後に2万円を繰り上げ返済した場合のケースで比較してみます。2万円を繰り上げ返済した場合の利息総額は25,511円(参考値、以下の利息も同様)になり、利息軽減効果は6,065円になります。さらに、返済期間も1年9カ月に短縮されます。

では、繰り上げ返済を行う時期が、遅くなったら利息総額に変化があるかどうかを見てみましょう。上記と同じ借り入れで、15回目の約定返済の後、2万円を繰り上げ返済した場合は、利息総額が29,604円、利息軽減効果は1,972円です。返済期間は1年9カ月に短縮されます。

これらのケースでは、カードローンの繰り上げ返済を行った場合の返済期間の短縮効果と利息の軽減効果が見られました。また、早い段階で繰り上げ返済をしたほうが、利息軽減効果が大きいことがわかります。借入金額が少ない場合は、これらの効果も少なくはなりますが、約定返済のみを行う場合よりは、支払う利息の総額は確実に減らすことができます。

一括返済した場合

それでは、返済期間中の早い段階で一括返済をした場合はどうでしょうか。上記と同様の借り入れ条件で、1回目の約定返済から30日後に一括返済を行ったというケースで見てみましょう。この場合の利息総額は、4,873円となり、約定返済のみを行った場合と比較すると、26,703円もの利息軽減効果があります。

おわりに

今回は、カードローンの一括返済や繰り上げ返済について、返済方法や注意点について説明した上で、メリット・デメリットやお得な返済方法をご紹介しました。

カードローンの一括返済や繰り上げ返済は、利息軽減効果や返済期間短縮など、メリットのほうが大きいです。そのため、無理のない範囲で一括返済や繰り上げ返済を行えば、デメリットと言えるものはほとんどありません。なるべくお得にカードローンを利用するためには、一括返済や繰り上げ返済を有効に活用していくのが賢い利用方法と言えるでしょう。

水野 圭子

CFP(R)認定者/1級ファイナンシャル・プランナー技能士
株式会社K’sプランニング 代表取締役社長
一般社団法人あんしんLifeコミュニティ 代表理事

大手損害保険会社で事務企画や本店営業を経験後に2010年にFPとして独立。女性の視点も踏まえたお金のノウハウをセミナーや企業研修にて延べ3,000人以上の方々に伝授。家計相談を中心とした個別相談やマネー情報等の執筆でも活動中。
著書:「小学生にもわかるお金のそもそも事典」

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