カードローン契約者本人が死亡した場合に借金返済は免除されるの?

カードローン契約者本人が死亡した場合に借金返済は免除されるの?

カードローン契約者本人が死亡

カードローン契約者の借金は本人が死亡したら免除されるのか

カードローンの契約者が死亡した場合、家族にとってのプラスの資産は住宅物件や預金通帳を見れば分かります。しかし、借金の総額(どのくらい借り入れがあるのか)は、通帳で毎月の返済額が確認出来たとしても、すべて把握することは困難です。また、「住宅ローンのような団信の制度があるのか」「故人の借入金総額が消えてなくなる制度などはあるのか」などの不安が、相続人によぎることも想定されます。

そこで今回は、カードローンを借り入れした契約者が死亡したケースにおいて、借金返済は免除されるのか、どのような対処方法があるのかについてご紹介します。

カードローン契約者本人が死亡したら借金はどうなるの?

契約者本人が死亡したら借金はどうなるの?

結論から申し上げますと、カードローンの契約者が抱えていた借金は、契約者の死亡と共に消えてなくなるわけではありません。

故人が残した借金をそのままにしておくと、借入金の返済はプラスの資産(金銭・車・書画・骨董)と共に、遺族にすべて引き継がれてしまいます。故人の残した借金は自然消滅することはないため、遺族がどうにか対処しなければなりません。

カードローンは基本的に借金免除なしだが例外もあり

団信がないので基本的に借金免除なし

カードローンは住宅ローンと違い、死亡した場合に残高が0になる団信(団体信用生命保険)のような制度がありません。ただし、死亡した場合における制度はないものの、契約者がガンと宣告されたときに借入金が0となる、ガン団信の制度は一部の銀行にあるようです。

ガンに対して不安がある方、親族にガンを患った方がいるなどの場合は、カードローンを利用する前に生命保険付きのプランを検討しましょう。カードローンと生命保険が一緒になっていれば、万が一のことがあっても家族に迷惑が掛からず安心です。

借金は相続人に負債として相続される

借金は相続人に負債として相続される

通常、カードローン契約者が死亡した場合は、負債も相続財産として取り扱われます。契約者本人が死亡したことを知った日から、原則3カ月以内に相続放棄、もしくは限定承認を選択のうえ家庭裁判所に申し出を行いましょう。相続放棄や限定承認の申し出を行わないと、単純承認したもとみなされ、カードローンの支払い義務が相続人に全額引き継がれてしまいます。

ただし、契約者との事情で疎遠になっていて、銀行からの督促で初めて亡くなったことが分かった場合は、3カ月を経過していても相続放棄などが認められるケースも。もちろん、家庭裁判所に申し立てをすることにより、「相続放棄」を熟慮する期間の伸長が認められることもあります。

借金は一括返済になるケースが多い

借金は相続人に負債として相続される

金融機関により異なりますが、通常は一括返済で借金が請求されます。相続を受けた家族間で預貯金などを出し合って、一括で借金を返済出来れば申し分ありません。しかし、それが難しい場合、相続人が新たなカードローンを利用して借り入れを行い、返済に当てるケースも想定出来ます。ただし債務が免除されるケースもゼロではないため、詳しくはカードローン会社へ確認しましょう。

死亡したことをカードローン会社へ知らせないと支払い遅延に

カードローン会社へ連絡

契約者が死亡した場合には、すみやかにカードローン会社への連絡が必要です。これは、カードローンには元金だけではなく、金利についても支払い義務があるから。つまり、少しでも遅延すると遅延損害金までも加算される可能性があります。契約者本人が残した通帳などで確認出来た借入先から、順次早めに連絡をしましょう。

また、相続手続きに手間取って支払いが遅れた場合も、通常の返済元利金の他に遅延損害金が上乗せされて請求が来ます。加えて、契約者本人が延滞をしていたのであれば、これらの債務に関しても遺族が責任を負わなければなりません。返済が遅れてしまった理由などを説明して、詳しくはカードローン会社の指示に従いましょう。

死亡した家族の借金返済を相続放棄するとどうなる?

借金返済を相続放棄する

故人が契約したカードローンなどの借金返済は、相続の限定承認や相続放棄をしない限り免れることはありません。さらに、相続放棄はご自分で手続きすることは結構大変なため、弁護士さんなどに代理をお願いすることも検討してください。

なお、すべての親族が相続を放棄すると、家庭裁判所が相続財産を管理する人物を選任します。

プラスの資産も相続放棄することになる

相続放棄の実現には、相続開始を認知した日から3カ月以内に、各相続人が単独で家庭裁判所に申し出て、承認を受ける必要があります。相続が開始した起算日が分かりにくい場合は、居住地最寄りの家庭裁判所にて確認してください。

とはいえ、相続放棄はマイナスの資産(負債など)だけではなく、プラスの資産の放棄も意味しています。相続放棄とはいえ、故人にはプラスの資産もあるでしょう。負債よりもプラスの資産が多いのに、相続放棄をしてしまったらもったいない話です。そのため、プラスの資産とマイナスの資産がどのくらいあるのか、知ることが必要になります。

もしも、負債がどのくらいあるのか分からず、多くの資産が残っている可能性がある場合などは、限定承認などの申し出を検討しましょう。限定承認は、相続で得た資産の限度内で負債を引き継ぐものであり、実現のためには相続放棄をした相続人を除く、残りの相続人全員の合意が必要になります。慎重な協議を実施して、親族間で相続に関するトラブルが起こらないように心掛けてください。

借金返済は免除されずに次の相続人に相続権利が移る

相続権は、法定相続人の順位に従って移ります。第一順位の方が相続放棄をすると第二順位の方へ、第二順位の方も負債の支払いが不可能で相続を放棄すると、第三順位の方へ……といった風に相続権利が次の順位の親族へと移るのです。したがって、故人の借金相続をめぐって自分1人だけの判断で相続放棄を勝手に行えば、親族である他の相続人との間でトラブルが起こる可能性も否めません。

すべての相続人で交わす遺産分割協議について

すべての相続人で交わす遺産分割協議の際には、「相続人Aさんはすべての財産の相続を放棄します」と相続人全員に口述して、書類にその旨を記載し署名・押印をすることで成立する相続放棄もあります。ただしこの方法は、相続人の間でのみ効力が発生するものであり、債権者に対しては全く効力がないため注意が必要です。

相続人の順位や具体的なパターンは?

ここでは例を挙げながら、相続人の順位やその範囲、パターンについてご紹介します。今回は、夫が亡くなったケースで考えてみましょう。夫が亡くなると、相続権は以下のように移ります。

  • 第一順位:夫の配偶者とその子供
  • 第二順位:夫の親
  • 第三順位:夫の兄弟姉妹

上記のようなケースでは、第一順位である夫の配偶者と子供が相続を放棄したとき、夫の親に相続権がわたります。このとき、第一順位である妻や子供は、第二順位の夫の親に対して相続放棄した旨を必ず伝えましょう。

夫の親や親族と疎遠になっていると、なかなか伝わりにくい可能性もあるため、弁護士などのサポートを受けながら相続に関する手続きがスムーズに進むように配慮してください。

借金の総額が分からない場合はどうすれば良い?

借金の総額が分からない

故人のプラス資産だけではなく、マイナス資産(借金)のバランスをすべて把握することは確かに面倒です。ただし、分からないからと言って放っておくと、プラスの資産もマイナスの資産も相続したものとみなされます。やはり大事なのは、マイナスの資産がどのくらいあるのかの把握です。

仮に残債額が10万円程度と判明した場合、預貯金で何とかなるなら相続放棄出来る期間が過ぎたとしても安心でしょう。とはいえ、借金自体の総額を把握するには、どうすれば良いのか疑問ですよね。

銀行などはそれぞれが利用する信用情報機関に、契約者の履歴を登録しています。信用情報機関に情報開示の請求をすることで、借金の総額を把握することが出来るでしょう。これは、契約者が危篤状態などの場合でも可能です。

情報開示を請求すれば、早めの段階で相続放棄や限定承認などを円滑に行えます。限定承認を行うなら、相続人の全員で話し合うことが大切です。

信用情報を開示して借金総額を調べる

信用情報の開示請求は以下で行うことが出来ます。

  • 銀行から融資を受けている場合は〔KSC〕全国銀行協会
  • 信販会社からの借り入れの場合は〔CIC〕株式会社シー・アイ・シー
  • 消費者金融より借り入れの場合は〔JICC〕日本信用情報機構

亡くなった方の信用情報を開示するには、開示請求のための手数料の他、以下のようなさまざまな書類が必要となります。ここでは、JICC(日本信用情報機構)を例にご紹介します。

【情報開示のための申込書類】
信用情報機関のサイトからダウンロードすることが出来ます。
窓口で申し込む場合は、窓口に備え付けられている申込書を利用しましょう。
【開示申込をする方の本人確認書類】
運転免許証をはじめ、各種保険証(カード式・折りたたみ式)やマイナンバーカード(個人番号カード)、写真付きの住民基本台帳カード、パスポート、在留カードなど、現住所がわかる書類を用意しましょう。
【情報開示の対象者(亡くなった方)の関係を示す書類】
戸籍謄本や戸籍抄本など、開示申込をする方と情報開示の対象者(亡くなった方)との配偶関係や血縁関係(※1)を示す書類、法定相続人であることを示す書類が必要です。

(※1)血縁関係
2親等以内の血縁関係でなければなりません。

【情報開示の対象者(亡くなった方)が亡くなったことを示す公的な書類】
戸籍謄本や戸籍抄本、除籍謄本など、情報開示の対象者が亡くなったことを示す公的な書類を用意してください。

必要書類は今後変更になる可能性もありますので、詳しくは公式サイトで確認することをおすすめします。ちなみに、マイナンバーの「通知カード」は、有効となる本人確認書類には含まれないため、必ずマイナンバーカードを用意してください。

なお、開示請求は情報開示の対象者(亡くなった方)の法定相続人や血縁者しかできないわけではありません。依頼すれば弁護士や司法書士に対応してもらうことも可能です。自分では手続きが難しいから誰かに頼みたい、という場合は、弁護士または司法書士に依頼すると良いでしょう。

開示の請求は、郵送・窓口・PC・スマートフォンなどから行えます。ただし、全国銀行協会の場合は郵送のみになるので注意しましょう。

開示請求の結果通知には10日ほどかかります。時間がかかることを見越して、早めに開示請求を行うことをおすすめします

単純承認ではなく限定承認を行う

限定承認の申し立てには、「相続財産の目録」を作成します。目録への記入漏れが指摘されると、相続人が相続財産を故意に隠したとみなされ、単純承認扱いになる場合があります。財産の一部を処分したときも、同じようにみなされてしまいます。限定承認の申し立ての際には、書類の不備がないように相続人全員で目を通して確認をしましょう。

限定承認に関して、法律では「相続人が継承したプラス資産の限度内で、債務や遺贈弁済の留保をつけて相続承認出来る」と定められています。

相続した資産価値と負債価値を比較したとき、資産価値が高ければ負債分を差し引いた残りの資産を相続し、資産価値を上回る負債分は相続せずに済むということです。

ただし、限定承認を行うには相続人全員の協力が必要ですし、面倒な債務の清算実務などもあるため、相続人の中で精通している方は別として、専門家(弁護士=代理・司法書士)の手助けが必要になるでしょう。また、限定承認は相続をはじめた時点で、時価での譲渡収入として取り扱われます。よって、譲渡所得税(※2)の申告ならびに納税が必要です。

(※2)譲渡所得税
譲渡所得税とは、財産を譲渡した際に生じる所得に課税される税金です。

借金免除はされないが相続の方向性は親族でよく話し合ってから

今回は、カードローンの契約者が死亡したケースで、故人の債務についての対処方法をご紹介しました。

相続放棄でも限定承認に際しても、書類に不備がないことが前提です。相続する場合、単純承認以外は「相続開始を認知した日から3カ月以内」という、申し立て可能な期間の制限があります。もし、そのまま3カ月以上の制限を超えて放置してしまうと、プラスの財産だけではなく債務も引き継いだものとみなされるため、親族同士でよく話し合って相続の方向性を決めて対処出来るようにしましょう。

木村 正人
木村 正人

ファイナンシャル・プランナ-、CFP®、GLGカウンシルメンバ-
FP1-オフイス21 代表(http://fp1-office21.com/)

ライフプラン&マネ-に関するコンサルティングから金融・財務など法人まで、コンサルティングを行う。全国信用組合月刊誌、みずほリサーチ&コンサルティング専門書、そのほか「一般・経営者」向けコラムなど原稿執筆実績あり。

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